計画白紙の新国立競技場、着工は年明けを目標に

(ATR Japan)下村博文文部科学大臣は7月21日の定例記者会見で、政府が計画を白紙に戻した新国立競技場について、工事の着工時期を「来年1月2月早々からということですね」と述べ、年明けの着工を目指したい考えを示した。着工までの予定として、今年の秋口までに総工費や競技場の規模などの基本の整備計画を策定し、その後設計と施工を一体として担う事業者を半年かけて選定していく方針だ。設計から工事完成までは50カ月強とし、2020年春の完成を目指す。

今後の取り組みについて、「政府全体で、国交省、内閣府、東京都、いろんな方々の協力が必要だと思いますから、協力を得られるような体制を検討する必要がある」と述べた。一方、「(新国立競技場を)建てるのはJSC(日本スポーツ振興センター)」と述べたうえで、JSCとそれを所管する文部科学省に責任があるという見解も示した。

舛添要一東京都知事が7月20日付の自身のブログで、「文科省は無能力・無責任で、これが失敗の最大の原因である。文科省・JSCに仕事をさせれば、また失敗する」と批判したことについては、「コメントしません」とした。そのうえで、「文部科学省とJSCだけで(計画を)見直すということではない」と述べ、政府全体で建設計画の見直しに着手する意向であることを示した。

整備計画のずさんさが総工費の高騰や混乱を招いたことについて、「厳しい世間の目がある」としたうえで、第三者委員会の省内への設置を検討し、問題の検証を行う意向を示した。設置時期やどのような体制にするのかについては、遠藤利明五輪パラリンピック担当大臣や官邸などと相談して決めるという。

第三者委員会について、下村大臣は7月14日の会見でデザイン選定の過程について、「第三者委員会とかそういうことではなく、当時民主党政権でしたから、事実関係を含めて省内で検証したい」と述べ、文科省内で検証を行ってきたという。しかし、今回の会見で「お手盛り的な検証では意味がない」と述べ、国民の批判が高まっているなかで第三者からの視点を取り入れ、より明確な検証を行う姿勢だ。(平田秀祐)