「予測できなかった」と河野氏、当初2倍の2520億円=新国立競技場建設費

(ATR Japan) 新国立競技場の建設事業主体である日本スポーツ振興センター(JSC)は7月7日、都内で国立競技場将来構想有識者会議(第6回)を開催し、新国立競技場の総工費が2520億円で、2015年10月に着工し、2019年5月完工に向けた計画案を全会一致で承認した。JSCの河野一郎理事長をはじめ、組織委員会の森喜朗会長、東京都の舛添要一知事、遠藤利明・五輪担当相らが出席した。ただし、競技場デザインの審査委員長の建築家、安藤忠雄氏は欠席した。

問題となった建設費については、招致段階で1300億円だったが、招致成功後の2014年5月に再度試算した基本設計では約300億円上回る1625億円まで増加した。今回の最終決定では招致段階から約2倍の2520億円まで膨れあがった。ただし、当初予定の1万5000席の可動席を電動式から簡易着脱式に変更し、大会終了後に設置予定の開閉式の屋根の建設費などは含まれていない。

この建設費について、JSCの河野理事長は「さまざまな指摘や課題があることは厳粛に受け止めている。建設について可能な限りプロセスについての説明を国民にしていきたい」と述べた。また、組織委の森会長は「国家的な大事なプロジェクトであり、価格についてここまで圧縮されたことは妥当なところ。オリンピックやラグビーW杯だけでは作る意味がないと思っている。日本のスポーツや文化が集結する場所で、大きな意味を持っている」との見方を示した。

一方、舛添都知事は「開催都市の知事としては、とにかく2019年のラグビーW杯、そして2020年大会に絶対に間に合わせて欲しいし、しかるべきものを造っていただきたい。文部科学省とJSCの責任において、間に合うように、しかるべきものを完成させていただくということをお願いします」と述べた。

メインスタジアムの工事費は、1996年アトランタ大会で約300億円、2008年北京大会と2012年ロンドン大会でそれぞれ500億円だったが、2020年東京大会はこれらの5倍から8倍強と、五輪史上初の破格なものになる。建設費の増加要因として、消費税増が約40億円、建設資材・労務費高騰が約350億円、そして新国立競技場の「特殊性」が765億円と説明した。河野理事長はこの「特殊性」について事前に予測不可能だったと釈明した一方、「(新国立競技場は)基本的に国が作るもの」との見方を示した。

新国立競技場建設費の都の負担については、明日8日、舛添都知事と遠藤五輪相が話し合う予定だ。(橋本大周)

(出席者のコメントを追加しました)