新国立競技場問題 「国内の問題」=都知事

(ATR Japan)舛添要一都知事は7月3日午後、都庁で開かれた定例記者会見で、新国立競技場の建設問題に関して「IOC(国際オリンピック委員会)の心配に対しての懸念は、29日の下村文部科学大臣の(建設計画の)ご発言でクリアだと思う。あとは、国内問題である」と述べ、下村文科相が6月29日に第9回調整会議の場で、総工費2520億円で2019年5月に完工する計画を説明したことで、「対外的には決着はついている」との考えを示した。

これは、7月1日のIOC調整委員会会議の場で、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が「バッハ会長自ら、7月のIOC総会までに解決してもらいたいという要請があった」ことを明らかにし、「バッハ会長との約束を果たすために、引き続き努力したい」と述べたことを踏まえた発言だ。森会長は新国立競技場建設に関して、「少なくとも10月に着工できるように準備するということ。着工する以上は財源をきちっとすることが必要。」と述べており、7月31日からマレーシア・クアラルンプールで開催される第128回IOC総会までに、財源を明確にさせたい意向を示していた。

しかし、総工費2520億円のうち、現時点で確保のめどがたっているのは国費からなどの500億円程度にとどまっていることを踏まえ、舛添知事は「この先どこから財源を捻出するかというのは、森会長、下村文科相、遠藤五輪担当相だけで決められることではなくて、政府全体の話。7月いっぱいにできるかどうかは私もわからない」と話した。また、都が国から建設費の一部負担を要請されていることに関連して、都の拠出は次回9月に開かれる都議会で予算の承認を得る必要があると説明し、「法的に、それから都民が納得する形で、やれる額はいくらかを今から積んでいって協議しながらやっていかないといけない」と述べ、都が費用負担を請け負う場合は、財源を明確にするまでに最短でも9月の都議会を経る必要があるという考えを示した。また、「確証がない財源というのは、物事をやるときに絶対だめ。今からじっくり腰を落ち着けて議論しましょう」と話した。

また、これに関連して、下村大臣は3日午前閣議後の記者会見で、「東京都との関係は遠藤大臣に調整をお願いすることになった」と述べ、国が都に建設費用の一部負担要請している問題を遠藤利明・五輪担当大臣に任せる方針を示した。下村大臣は「第一義的には東京都に対しては遠藤大臣にやっていただく調整はついている」と述べ、都への要請窓口を舛添知事と親交の深い遠藤大臣に任せる狙いだ。舛添知事はこれに対し「基本的には国と都の話であり、どの大臣がおやりになろうと国として責任が持てるならば、それはきちんと議論する。」と述べ、これを受け入れる意向を示した。舛添知事によると、「今のところまだ遠藤大臣と日程調整をするという話は来ていない」という。

7月7日に開かれる予定の「国立競技場将来構想有識者会議」では、舛添知事をはじめ、日本スポーツ振興センター(JSC)の河野一郎理事長や、森会長、遠藤大臣が出席する予定で、JSCから新国立競技場建設に関する具体的な説明がなされる。(橋本大周)