【ルポ】大会開幕 満員の開会式 静かな街

(スマホのライトで彩られた聖火点灯式の様子 野中喜天)

 (ATR Japan)16時、およそ2万人観衆が集った札幌スタジアムで開会式が始まった。開会式は3部から構成された。第一部が儀礼的なセレモニー、第二部が民族舞踊などのウェルカムパフォーマンス、第三部が大会イメージソングを担当するDREAMS COME TRUE によるスペシャルライブだ。第一部では、アジア・オリンピック評議会のアハマド会長が式辞を読み上げた。また皇太子殿下による開会宣言があった。

 第一部の選手入場では、アジア32の国と地域を代表する選手が行進を果たした。中には民族衣装を身にまとい出席した国もある。ウィンタースポーツのイメージが一般的に定着していないと考えられる中東諸国の参加を知り、驚く声が客席からあがっていた。アジア大会を象徴する一瞬だ。アジア地域全般のスポーツ事情となると、まだまだ広く認知されていないことが多い。

 「アジア大会のお客さんはこれが初めてですよ」。スタジアムへ向かうため、乗り合わせたタクシー運転手のO氏は道中で語った。「交通規制もあってか、今日はいつもより道は静かですよ。気づいたらもうアジア大会始まったんだっていう感じですよね。会社から大会の優待券みたいの配られたけど、なかなか誰も行かないですね」と続けた。「北海道は良いところなので、ぜひとも一日くらい休んで観光をすると良いですよ」

 今年の札幌は2月中、立て続けにビッグイベントを抱えている。6日から12日までのさっぽろ雪まつり、そして19日からの冬季アジア大会だ。雪まつりは例年200万人を超す入場者があり、街が人でごった返してもいいはずだが、実際には静けさすら感じられる。たしかに気温は氷点下を割り、歩道の雪もカーペット状に積もってはいるが、陽は出ており風は穏やかだ。集客には申し分のないコンディションである。事前に挙がっていた「チケット販売率」問題の影が見え隠れする。

 チケット販売率の低迷がクローズアップされる今大会。とはいえ、開会式はその例外だ。聖火点灯式で観客が一丸となり演出を盛り上げる場面があった。観客のスマートフォンのライト機能を用いて、会場全体を彩ったのだ。式の司会は会式前、この演出の導入を行い、「一緒に札幌って凄いんだなと思わせましょう」と場を盛り上げた。(野中 喜天)