都が整備する五輪競技会場の工事進捗は順調、大会後の利用が課題

(ATR Japan)東京都は12日、2020年東京五輪・パラリンピックで都が整備する施設8カ所の今年1月末時点での工事進捗状況を公表した。今年中旬から五輪開催に向けた各競技のテストイベントが開かれるため、会場工事の完工が課題となっている。工事進捗率の高い順に、夢の島アーチェリー場で90%、ボート会場となる海の森競技場で77%、カヌー・スラローム会場で74%、有明テニスの森で68%、東京アクアティクスセンターで55%、有明アリーナで51%、大井ホッケー競技場で48%だった。また、選手村は住宅棟で73%、商業棟で18%だった。

また同日、都が新設するカヌー・スラローム・センターなど競技会場4カ所を報道陣に公開した。この日公開された会場の中で課題となるのが、国内ではマイナー・スポーツといわれるカヌーやボートの会場の大会後の利用だ。現時点では、カヌー・スラローム会場で年間1億8000万円、ボート会場で同じく約1億5000万円の費用超過が見込まれ、指定管理者制度を利用してその穴埋めをするもくろみだ。

葛西臨海公園に隣接する国内初となるこの人工スラロームコースには仮設で約1万5000席が用意される。約200メートルの競技コースのほか、練習用コースやポンプ・ろ過施設、管理棟などが建設される。完成まで約73億円を費やす見込みとなるこの会場は、大会後には宿泊施設を整備し、カヌーの大会や強化練習など利用されるほか、水上スポーツ体験など年会10万人の来場者を目標としている。

ボート、カヌー・スプリントの会場となる海の森水上競技場(都内臨海部)の工事進捗率は77%。艇庫のほか締切堤や水門施設など大型整備が必要で、五輪使用外を含めると整備費は491億円にのぼる。大会中の観客席は約2万4000席だが終了後は約2000席に縮小する。大会後の年間利用者数は競技利用で約3万人、水上スポーツ体験などの一般利用で約7万人の計10万人にとどまる。ただ、海上埋め立て地でアクセスが悪く、現在のところ大会後の公共交通機関の運行は未定だ。(小田光康)

(1:カヌー・スラローム会場、2:有明アリーナ、3:東京アクアティクスセンター、4:海の森水上競技場、5:選手村)