「パラリンピックの成功こそが、東京2020大会の成功」 障がい者と健常者の共生社会実現掲げる北海道新聞


(ATR Japan)2019年3月12日で東京五輪まで500日。オリンピックへの関心が集まる中、「パラリンピックの成功こそが、東京2020大会の成功」と考え、共生社会の実現を目指すスポンサー企業がある。

年間約96万部を発行し、北海道で最大シェアをもつ北海道新聞社は、昨年1月に東京五輪組織委員会と東京2020オフィシャルサポーター契約を結んだ。地方紙で唯一のスポンサーとして、北の大地から「紙面」と「事業」を通して、パラリンピックに焦点を当てながら東京2020の成功に向けて協力している。

2017年の創業130周年を機に、スポーツを通じた地方活性化を目標に「スポーツ応援宣言」を出した。札幌市が2030年の冬季五輪招致への準備も進める中、四季折々の競技ができる北海道で、スポーツの魅力を発信している。そうした活動の中で同年、パラリンピックに4度出場し、バンクーバー大会で銀メダルを獲得した元パラアイスホッケーの永瀬充さんを「パラスポーツアドバイザー」として迎えた。

北海道新聞社は、東京2020大会ビジョンである「共生社会の実現」のために、特にパラリンピック競技に力を入れている。これまで紙面で障がい者スポーツを扱うと、「選手の生き方や社会的な側面に注目されがちで、正面から競技と向き合っていなかった」と東京2020・スポーツ戦略本部長の佐々木政文さんは振り返る。

そこで永瀬さんが車いすバスケやゴールボールなど様々なパラスポーツ競技の現場を視察し、そのリポートを月1回連載している。この視点から、パラスポーツの技術面やその魅力にスポットを当てている。

また、障がい者と健常者の共生にも視線を注ぐ。大会の競技会場には車いす専用の観客席が用意されているが、「一緒に来た家族も隣で見られるのか」や、「観客が盛り上がって起立すると、大事な得点シーンが見えなくなってしまう」といった障がい者の視点から問題提起をしていく。

さらに、「スポーツ!北海道フォーラム」や「どうしん☆スポーツサロン」を不定期で開催し、パラ選手や競技関係者の講演を通して、道民に障がい者スポーツをより身近に感じてもらうきっかけを作っている。これらのイベントは、多い時には650人の定員を超える応募がある。

今大会を通して、障がい者も不自由なく暮らすことができる「共生社会の実現」という「レガシー」を創造するために、「まずは北海道から始めていきたい」と佐々木さん。東京パラ大会の試合が北海道で開催されることはないが、永瀬さんをはじめ、2018年の平昌パラ大会の4人を上回る人数を東京に派遣し、現地の記者を含めた強力な取材班で盛り上げていく予定だ。

スポンサー企業としてのこうした取り組みを、大会を成功に結び付けることで、「札幌でももう一度、五輪をやりたいね」という市民の想いが広がれば、2030年の冬季五輪招致のチャンスも高まる。(大海雪乃)