聖火リレーを3つの観点から東京オリンピック1964と2020で比較!

(ATR japan)オリンピックにとって聖火リレーは切っても切れないものだろう。特に多くの人間によって繋がれた聖火が開会式で灯される瞬間は、近年の様々な趣向が凝らされた演出と相まって我々のボルテージを最高潮にしてくれる。そんな聖火リレーだが、東京で行われるのは2回目、1回目は1964年まで遡る。今回はその1964年と2020年の聖火リレーを日程、コース、社会情勢の3つの観点から比べていきたい。

1.日程

 1964年は同年の8月21日にオリンピアで採火され、9月7日に沖縄に運ばれた。そこから日本のコースを通り10月7日~9日に都庁へ運ばれ、10月10日の開会式当日に国立競技場の聖火台へ点火されたようだ。まとめると後半から10月の前半の約1か月半で行われた。次に2020の日程では3月12日にオリンピアで採火され、3月20日に宮城県に到着、3月26日に福島県でのグランドスタートを行い、7月24日の開会式に運ばれる。3月から7月へ、約4カ月と1964年の倍の日数をかけて行われる予定のようだ。2020年の聖火リレーのテーマとして「日本全国47都道府県を回り、できるだけ多くの人々が見に行くことができるルート」があるが、2020年の日数が倍の理由はこのテーマに沿ったコースを採用しているからかもしれない。とにかく2020年のほうが長い時間をかけて聖火リレーを行うようだ。

2.コース

 最初は1964年。

(第18回オリンピック競技大会・公式報告書より転載)

8月21日のオリンピアの採火から上記の画像のようなルートを通り、沖縄に運ばれた。その後、下記の画像の通り4つのコースに分かれ全国を回り東京に聖火は運ばれた。

出典:www.library.metro.tokyo.jp/

次に2020年のコースである。3月12日のオリンピア採火からギリシャ国内のリレーを経て日本に運ばれる。それからのルートは下記画像の通りである。

出典;https://shabonyukuro.com/tokyogorin_torchrelay/

1964年と2020年二つのコースを比べ、1964年はアジアを回ってから日本を4つのルートで回っているのに対して、2020年はギリシャからすぐ日本に聖火が運ばれ一つのルートで日本を回っている。1964年の東京五輪は当時アジアで初めて行われるオリンピックであった。そのため1964年の聖火リレーはアジアできるだけ通って運ばれたのだろう。2020年の東京五輪は復興五輪の趣旨が反映され被災地のひとつ福島県からのスタートとなっている。どちらの年もルートに違いはあるが、日本全国を通り、日本を盛り上げようという気持ちは約60年の時を超えても変わらないようだ。

3.社会情勢

 1964年、日本は高度経済成長期の真っただ中であり、東海道新幹線の開通などいろいろなものが開業するオリンピック景気であった。まさしく日本が戦後復興を果たし、先進国の仲間入りを印象づける年であり、そんな中行われた聖火リレーも人々に希望の灯をあたえるものであったのだろう。そして現代、日本の経済は決して悪くないものの、1964年ほどのインパクトはない。もちろん多くのものが発展し、近代化がかなり進んでいる上に、人々の賃金なども1964年のそれより大幅に増えているがそれが当たり前の時代と感じているのかもしれない。そんな中2020年の聖火リレーがどんなものになるかわからないが、震災復興を象徴し、新たな日本のスタートのきっかけになることを、そして人々の胸に希望の灯を再び灯すことを期待されるものとなることは変わらないだろう。

 ここまで3つの観点で比較して感じることは、日程やコース、社会情勢に違いはあるが聖火リレーに込められる期待や、効果、テーマに大きな違いは感じられなかった。この約60年の時を超えて行われるオリンピック、そして聖火リレーには復興と日本の発展を象徴する期待が変わらず込められている。とにかく2020年の聖火リレーが日本中を盛り上げる素晴らしいものになることを祈るばかりである。(原有作)