新国立の費用負担 都知事「責任体制がしっかりしている」、都民の理解得られるか

(ATR Japan)舛添要一都知事は12月4日午後、都庁で開かれた定例記者会見で、新国立競技場に関する都の整備費用負担を395億円とする合意を政府としたことについて「今回は責任体制がしっかりしている」と述べ、都の費用負担に積極的な姿勢を示した。

知事は政府と都の「財源検討ワーキングチーム」が算出した395億円という金額の根拠について、「決定の仕方、政策決定過程が全く違う」ことを強調し、「東京都については私の責任で、国は遠藤五輪担当大臣が責任を持つ」と語った。また、都や都民に対し、新国立競技場がもたらす利益についても十分であるとの見方を示した。

懸念されていた都から国への費用負担に関する法整備については、現行の法体系では「地方財政法、地方自治の関連で言うと地方自治体が国に寄付をすることは禁じられている」としながらも、「JSC法(日本スポーツ振興センター法)を改正する」ことで法的な担保を得られることを述べ、「通常国会でも早々にやっていただけると思う」と話した。ただ、「どこから予算を、どういう風に出すかは法律が決まってから」と、この合意以外は未定であることが浮き彫りになった。

新国立競技場の費用負担については、今年5月に下村博文・前文部科学大臣から500億円の費用負担を求められていたが、知事は根拠不明の要請に都民の理解を得られないとし、強い不信感を示していた。それを踏まえ今回は、「きちんと議論をして、都民、そして国民のご理解を賜りたいと思っている。あらゆる機会を通じてそういう(都民の理解を得られる)ことをやっていきたい」と語った。

また、知事は「私と遠藤担当大臣が責任を持ち、それから馳文部科学大臣もそこに加わっている体制のもとにできたことが(前回の要請との)最大の違い」と語った。

しかし、新国立競技場のデザインすら決まっていない状態で、ワーキングチームがどのように試算し、都や都民への利益を見積もったのかを都民に公表していない以上、前回と同様、都民の理解を得ることは困難であろう。(橋本大周)