新国立建設費500億円の密約、「当然」果たすべき=五輪組織委の森会長

(ATR Japan)国が都に対して新国立競技場の建設費用のうち500億円以上の負担を求めている問題について、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が12日午後、ATRの取材に対して、「(前都知事時代の密約を踏襲することは)当然である」との考えを示した。この密約には森会長自らがかかわっていたとされる。

森会長はこの日、第7回の組織委理事会に出席した。会議終了後の記者会見では、記者団に対し、「オリンピック招致というのは東京都がやったもの。都知事は変わっているかもしれませんが、東京都という都が推進し受け入れて、開催しようということはなんら変わることがない」とし、建設費用負担要請の具体的な説明を求める舛添都知事を批判した。

舛添知事は、ネット・マガジン『現代ビジネス』(講談社)で連載している6月9日付け「舛添レポート」で、都の建設費負担は2016年夏季五輪招致時に森会長と石原慎太郎元都知事の間での密約ではないかとの疑問を呈した。それを踏襲したのが、下村博文・文科相だ。都が建設費を負担することに合意したことを示す正式な文書は一切存在しない。都知事は「現知事もそれに従うべきだといったトーンで主張を展開している」ことに不満を示した。一方、下村文科相は6月9日、定例会見で「根拠法を明確につくりたい」と述べ、都が合法的に拠出できるとされる約50億円以上の要請するために、特別立法する意向を示した。

これに対し、舛添知事は自身のブログで、「一憲法学者として、私は、すぐに日本国憲法95条が頭に浮かんだ」と、特別法は投票で都民の過半数の同意を得なければ制定できないことを指摘した。また、6月12日の定例会見でも「国権の最高機関が95条を念頭に置いた上で、95条に抵触しない形で、ないし95条に沿った形で(特別法を)制定なさるかどうかは、それは国会の仕事だと思います」と述べ、下村大臣を牽制した。

森会長は、都知事の憲法95条に関する指摘に対し、「あの方は、憲法学者ですからね、学問的なことだけで物事を進めているわけではないんだろうと思います。憲法のことよりも、私はそういう姿勢だと思う、受け入れたいのか受け入れたくないのか。東京都がどこまで国と協力してやっていけるかという姿勢の問題であると私は思っています」と述べた。(組織委=橋本大周、平田秀祐、都庁=横尾和哉)