新国立競技場、総工費2520億円で19年5月に完成予定

(ATR Japan)2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は6月29日、都内で第9回調整会議を開いた。この席で、文部科学省の下村博文大臣は新国立競技場建設の見直し案で、開閉式屋根の設置を2020年の大会後に先送りすることや、スタンドの1万5000席の可動席に関して電動式から簡易着脱式に変更することを報告した。ただし、2本のキールアーチ構造は維持する。総工費は、五輪招致時の1300億円の約2倍となる2520億円に上る見込みだ。工期は、2015年10月の着工、2019年5月の完成予定と、当初計画より2カ月遅れるという。ただ、2019年9月に開催される、ラグビーW杯には間に合いそうだ。

この会議には25日に新たにオリンピック・パラリンピック担当大臣に就任した遠藤利明氏を加え、組織委の森喜朗会長や東京都の舛添要一知事、下村博文・文部科学大臣が出席し、30日から都内で開かれる国際オリンピック委員会(IOC)との第二回調整会議を前に、関係機関間の連携のあり方について改めて意見交換を行った。

下村大臣から舛添知事に対して、国が都に求めている新国立競技場の建設費用の負担についての具体的な説明はなかったという。森会長は下村大臣の報告に対し「苦労して、努力してよくまとめていただいたと思う」と述べ、今後の進展について「政府と東京都と話し合いをしていかなければならない点もあると思うので、双方が精力的に進めていただきたい。遠藤大臣に調整役をお願いしたい」と語った。

また、誘致段階でIOCに示していた開閉式屋根の完工が五輪後になることに関して「開閉式のことはオリンピック競技ではあまり関わりがない。オリンピックが終わった後に競技場をどのようにしていくかによっては、開閉式が必要になってくるかもしれない。騒音や周りの環境への配慮から検討しなければならない。それは十分IOCの皆さんは評価していただけるのではないか」と話した。

7月7日に新国立競技場に関する有識者会議が行われ、下村大臣によって改めて算定した費用や、工期について具体的な説明があるという。(橋本大周)